氷河ちゃんは面倒くさがり

その事にはっと気付き、私をブロックしようとする相手の手をを余裕で躱し、スリーポイントを決めた。


そこでピリリリリ、とタイマーが鳴り呆然としていた審判の目に光が戻る。

審判は、ぶんぶんと顔を振って「試合終了!」と声を掛けた。



それを合図にコートの中心に並び、互いに挨拶を交わした。

私や愛、勿論他の人の活躍もあって相手とは大きく差をつけて勝利した。



「咲紀、大丈夫!?ごめん、本当に」

「あーこれ?気にしないで。そこまで痛くないの。実はね。愛、怪我はない?」

「?無いけど‥」

「ならよかった」



戻っている途中に私の手を気にかけてくれた愛に心配ないと伝え、応援してくれていた兎亜の所へ戻った。

 兎亜は私を見つけるなり心配そうにばっと立ち上がると、名前の通り兎みたいに素早く私に駆け寄って来た。



「咲紀ちゃん!怪我してるよね!?どこ!?」

「兎亜。別に気にしなくていいから、この位」

「ダメダメ!傷に菌が入って化膿する事だってあるんだから!で、どこ!?
‥‥嘘!掌!?」

「別にいいのに」

「全くもう、咲紀ちゃんは‥。あたしの為に無茶しないでいいのに‥。嬉しいけど‥」



と言いながら私の怪我を探す兎亜。

ほんとに優しい私の自慢の親友。



私の掌の皮ががっつり剥けているのを見つけて、なぜか兎亜の方が痛そうに顔を歪める。


「兎亜?どうしたの?」

「ごめん、ごめんね、咲紀ちゃん。
あたしが、無理に他の種目追加しなきゃこんな事には‥。咲紀ちゃん、ごめんね。
‥‥どうしよう、咲紀ちゃんに怪我させちゃったし‥いや、あたしが悪いけど‥。
月宮先輩に殺される‥」