氷河ちゃんは面倒くさがり

「面倒なので結構です」

「冷たいなぁ。そう言わずさ、ね?聞いてってよ、“氷河咲紀”ちゃん?」






っ。
息を呑んだ。この人が只者ではないという事は薄々勘付いていた。どうして、と問われても勘、の一言に尽きる。だけど、放っているオーラが明らかに普通の人のそれとは違った。



不気味な位に顔は甘く優しく笑っているのに、放つオーラは冷たく、闇色だ。本心を悟らせないくらいには闇色で埋め尽くされている。






だけど、ここまでとは思わなかった。
何で私の名前を知っているの?初めて会ったのに?何でコロコロ意見が変わるの?情緒不安定?などの疑問が雪崩のように溢れ出てくる。