今夜の月は眠らない。


わたしと瑛太は、病院前のタクシー乗り場からタクシーに乗ると、瑛太の家に帰宅した。
タクシー代は、もちろんわたしが払う。

久しぶりに帰宅した家は、散らかり放題でテーブルの上は、カップ麺を食べたあとの容器と空のペットボトルだらけだった。

そして、あることに気付いたのだが、わたしの物がほとんどなかった。

あれ?
わたし、本当にここで瑛太と同棲してたんだよね?

わたしは、部屋を片付けながら何か違和感を感じていた。

そして、その日の夜。
わたしがシャワーから上がると、瑛太が上半身裸の状態でベッドに座り、煙草をふかしていた。

瑛太は、煙草を灰皿に押しつけ火を消すと、わたしに「こっち来いよ。」と言った。

わたしは言われた通り瑛太に近付くと、瑛太の隣に腰を掛けた。

すると、その途端、瑛太はわたしをベッドに押し倒してきた。
わたしの上に跨り、唇を重ねると舌を入れてくる。

瑛太の口から漂う煙草の臭いにわたしは不快を感じた。

「エレナを抱けるなんて、久しぶりだなぁ。」

瑛太はそう言うと、わたしの下着を強引に脱がせ、わたしの中に指を入れてきた。

雑で激しい動きにわたしは痛みを感じ、顔をしかめる。

その表情を見た瑛太は、わたしが感じていると勘違いしたのか「気持ちいいだろ?」と喜んでいるようだった。