すると、瑛太がわたしに付き添っていてくれた男性に「お前は、必要ない。帰れよ。」と冷たい言い方をした。
その男性は寂しげな表情を浮かべると、「また来ます。それでは、失礼致します。」と言い、病室から出て行った。
あの人、初めて会った気がしないんだよなぁ、、、。
あの寂しげな表情が忘れられない。
瑛太は「もう来るな!」と言っていたが、あの人は誰なんだろう。
「退院は1週間後だったよな?それじゃあ、退院のときにまた来るから!」
瑛太はそう言うと、まだ来たばかりなのにすぐに帰ってしまった。
わたしはベッドに横になると、天井を見上げながら、あの男性の寂しげな表情を思い出していた。
きっと、わたしが忘れているだけで知り合いなんだろうなぁ。
わたしが目が覚めるまで、手を握り締めていてくれたんだもん。
そう思いながら、わたしは自分の右手を眺めた。
あの人の手、温かかったなぁ、、、



