今夜の月は眠らない。


成美が担当していた業務は、何となく分かっていたので出来ないことはなかった。
しかし、仕事量が2人分になってしまった為、わたしは休憩時間を削り、残業して何とかその日の業務を終えた。

「やっと終わったぁー!」

両手を上げ、伸びをしながら独り言を言う。

時刻は20時を回っており、当然事務所にはわたし1人しか残っていなかった。

「はぁ、、、これが毎日続くの?嘘でしょ?」

あの部長が新しく人員補充してくれるとは思えない。

休憩時間を削り、2時間は残業しないと終わらない仕事量、、、
わたし、大丈夫?

わたしは溜め息をつくと帰る支度をして、事務所の電気を消すと、会社を出て鍵を閉めた。

帰りのバスに揺られ、自宅に帰宅すると、わたしは真っ先にベッドに倒れ込んだ。

疲れ過ぎて、頭がボーッとする。
もう動きたくない。
お風呂に入るのすら面倒くさい。

そういえば、今日朝から何も食べてないや。
でも、食欲もわかない。

その中でも頭に思い浮かんだのは、和総さんの顔だった。

会いたいなぁ、、、

わたしは重たい身体を起こすと、シャワーを浴び、部屋着に着替え、和総さんに会いに行くことにした。

この時間なら、和総さんまだ起きてるよね?

そう思いながら、わたしはエレベーターに乗り、10階を目指した。