それからわたしは、週に2〜3日は和総さんの自宅にお邪魔をして、猫バスに座りながら葡萄ジュースを飲み、他愛もない話をしたり、時には真面目な話をしたりして楽しい時間を共有していた。
そんなある日、いつものように仕事が終わって帰宅した後に、和総さんの自宅で過ごしていると、和総さんがカーテンを開け、「わぁ、今日の月、綺麗だよ。」と言い、ベランダのドアを開けた。
開いたベランダのドアからは、涼しい秋風が流れ込んできた。
夜の秋風は、少し肌寒かった。
ベランダに出る和総さんに続き、わたしはワイングラスをテーブルに置くと、ベランダへと向かった。
「わぁ!本当だぁ!綺麗!」
雲もなく真ん丸に空に浮かぶ満月は、光輝いていた。
和総さんは、ブランケットを持ってくると、「風邪引いたら困るから。」と、わたしの肩にかけてくれた。
「ありがとうございます。」
和総さんはベランダの柵に腕を乗せると、月を眺めていた。
その横顔は月に照らされ、更に整った輪郭や鼻筋をくっきりと映し出していた。
「月ってさぁ、不思議だよね。太陽に照らされて、あんなに綺麗に輝いてるんだよ。」
「和総さんって、素敵なこと言いますね。」
「ん?だって、そうじゃない?太陽がないと、月は輝けない。凄く遠くにあるのに、こんなに近くに見えて、、、不思議だよなぁ。」
そう言いながら、月を眺める和総さん。
わたしはそんなこと考えたこともなかったなぁ。
でも、言われてみれば確かに不思議だ。
わたしたちはしばらく月を眺め、輝く月に見惚れていた。



