高校生の泉美は、社会人の彼氏を持っているのが少し自慢だ。
元々大人っぽい人が好きだったのだが、早人はやることなすことスマートで、同級生の男子とは比べ物にならない。
ピンストのスーツが似合う、仕事のできる大人の男。
車はカッコイイ、国産のスポーツカー。
デートやプレゼントなども、友達から羨ましがられるような内容ばかりで、「いいなあ」と言われるたびに泉美の鼻はぐんぐん伸びてゆく。
そんな風に賞賛してくれる友達には絶対に言えないが、泉美はある大きな不安を抱えていた。
早人が自分とのつき合いを遊びだと思っているのではないかということだ。