シンデレラのないしょ話 ~悪役令嬢だって恋をする~

 でも、盛大(せいだい)なほめ言葉に魔女(まじょ)さんもうれしそうにほほえんだ。
「ありがとう、お世辞(せじ)でもうれしいわね」
「お世辞(せじ)なんかじゃねえっス!!」

 魔女(まじょ)さんのドレスに負けないくらい顔を赤くさせてグリムオオカミがさけぶ。
 あまりに大きい声だったので、近くを歩いていた人達がこちらをふりむいた。

 まずい。また目立ってしまってる。でもこの時を(のが)したら、グリムオオカミは(かがみ)魔女(まじょ)さんに告白するチャンスをなくしてしまう気がして、そのまま見守ることにした。