クスクス笑いながら家に向かうと、前から歩いてきた知らない男達がすれちがいざまに「公共の森でデカいツラしやがって」「悪者のくせに」とつぶやくのが聞こえた。

 おどろいてふりむくと「うわ、にらんでる。気の(つえ)え女」「可愛げのないやつ」と()い打ちをかけてくる。
 楽しかった仲間たちとのひと時を(けが)された気分になり、しばらくその場に立ちつくした。

 数日後、さらに事件が起きた。
 《物語進行委員会(ものがたりしんこういいんかい)》から、私あてにイエローカードが(とど)いたのだ。