シンデレラのないしょ話 ~悪役令嬢だって恋をする~

 結婚式の後、妹はひっそり(というか、こっそり)海賊船(かいぞくせん)に乗りこんだ。

「行ってらっしゃい。体に気を付けてね。シン……じゃなくて……なんて呼べばいいのかしら」

「そうねえ、女海賊(おんなかいぞく)Aとでも名乗(なの)ろうかしら」

「なんだか呼びにくいわ」
 と言ったら、その日の雲ひとつないの空のように明るく笑う。

「これで、このシンデレラ町で名前があるのは私だけになっちゃったわね」

 感慨深(かんがいぶか)くそうつぶやくと、女海賊(おんなかいぞく)Aからつっこみが入った。