でも、これだけ煌びやかな人々がいる中でも、目立って美しいのがうちのシンデレラという設定(せってい)だ。
 
 実際、仮縫いでドレスをまとった時のシンデレラを思い浮かべるだけで、目の前の美しい人々がかすんでしまうほどだった。

 王子様に見染(みそ)められ、王様さえ「なんてかわいい人だ」とつぶやき、この並みいる人々が「あの姫君(ひめぎみ)(だれ)だろう」とうわさしあう、そんな展開(シナリオ)をせおうにふさわしい美しさ。