シンデレラのないしょ話 ~悪役令嬢だって恋をする~

 田舎から出てきた貧乏貴族(びんぼうきぞく)さながら(実際その通りなのだけど)といった風情(ふぜい)の私達は、綺羅星(きらぼし)のような人々の間をそそくさと通りぬけ、ひっそりと広間の(すみ)陣取(じんど)った。
 

 ここに来る前は自分の衣装(いしょう)がハデなことがいやだったが、そんな心配することもなかったのだと、改めて気付かされた。
 
 私みたいな地味(じみ)な娘が少しくらいハデなドレスを着ていたところで、悪目立(わるめだ)ちなんかしそうにもなかった。
 
 自意識過剰(じいしきかじょう)だったと、はずかしさに顔が赤くなる。

 ……だいたい、あのセリフがいけないのよね。
 「あのダイヤの(おび)は世間ではめったにないものなんだから」とか何とか。