シンデレラのないしょ話 ~悪役令嬢だって恋をする~

 緊張(きんちょう)のあまり独り言をつぶやくという、変な娘になってしまったが、お父様は気にせずやさしくほほえんだ。

「そうだね。私も少し緊張(きんちょう)しているよ。お城には何度(なんど)か行ったことがあるけれどね。初めてのジャボットが緊張(きんちょう)するのは当たり前だ。何もはずかしいことはないよ」
 
「そうよ。せっかくなんだから、あなたも舞踏会(ぶとうかい)を楽しみなさい」

 お父様とお母さんはこんな変な娘をはげましてくれる。
「ありがとう。そうするわ」