シンデレラのないしょ話 ~悪役令嬢だって恋をする~

 そう言うと、ハデな赤いビロードの服の上のハデな金の花もようのマントを、引っ張ったりギャザーをよせたりした後、もう一枚白い薄絹(うすぎぬ)の布を羽織(はお)らせ、例のダイヤを一粒つけた(おび)でウエスト部分をギュッとしめる。

 薄絹(うすぎぬ)とマントがボレロのように赤い服をさりげなくかくし、ハデハデしさが押さえられた。

「うん、ちょっとはましになったかしら」

「セリフにはない布を羽織(はお)っても、大丈夫(だいじょうぶ)かしら。《物語進行委員会(ものがたりしんこういいんかい)》に怒られない?」

大丈夫(だいじょうぶ)よ。薄絹(うすぎぬ)羽織(はお)る、っていうセリフはないけど、羽織(はお)らない、っていうセリフもないんだから」

そ、それは屁理屈(へりくつ)じゃないかしら。

 不安になったものの、満足そうなシンデレラにうながされて(かがみ)を見ると、私の衣装(いしょう)はさっきよりだいぶおちついた清楚(せいそ)印象(いんしょう)に変わっていた。