シンデレラのないしょ話 ~悪役令嬢だって恋をする~

 なんだか涙が出そうになる。

 シンデレラにこんなことを言われるなんて。
 そして、シンデレラがウソやなぐさめじゃなくて、本気で言っていることがわかって。

「ありがとう、シンデレラ。でも私はやっぱりあなたがこの国で、ううん、世界で一番かわいと思うわ」

「うふふ、私達美人姉妹ね」

シンデレラはうれしそうに笑いながら「よいしょ」と立ち上がり、
「やっぱりドレスもちょっと直しましょ。セリフから大きくはなれなければ、いいわよね」
と言いながら、私の衣装(いしょう)をごそごそといじりだす。

「え?もう、いいわよ。今夜はこれであきらめるわ」

「だめだめ。せっかくお城に行くんだから」