シンデレラのないしょ話 ~悪役令嬢だって恋をする~

 昼食を終えた後、シンデレラは私のヘアメイクをしてくれた。メイクもヘアセットも、シンデレラはすごく上手だ。

 シナリオ上、この家に来てから、家族の世話(せわ)を全部シンデレラにさせているという設定(せってい)である。

 その設定(せってい)に忠実にシンデレラが私やお母さんの美容(びよう)関係を全部ケアしてくれていたため、(はだ)(かみ)の質までわかってくれていて、今やお化粧(けしょう)もヘアセットもプロ並みの腕前(うでまえ)になっている。

 最初のころこそ頬紅(ほおべに)が赤すぎたり、結った(かみ)がいびつだったりと失敗したものだが、すっかり手なれたものだ。