ペローオオカミは頭をカリカリとかきながら、早口ではき捨てるように言う。

「オレは、おめえもなかなかイケてると思ってるぜ。あ、かんちがいするなよ!オレは別におめえにほれてるわけじゃねえぜ。ただ、一般的な話として、悪くねえと思ってるんだからな」

「わかってるわよ」

 クスクス笑いながら、ペローオオカミのはげましを聞いた。

「別に自分のことブスと思ってるわけじゃないわよ。ただ、童話のヒロインにはにあわないだけで」

「いや、いや。にあわなくねえよ。なんならおめえがシンデレラ役でも通じるんじゃないかと、いつもそう思ってるんだぜ」

「それは、さすがに言い過ぎ」