シンデレラのないしょ話 ~悪役令嬢だって恋をする~

 世の中のことを知りつくした魔女(まじょ)さんは、考えなしに人を(きず)つけるような奴らとは(うつわ)がちがうのだ!

「ねえ、さっきから聞いていれば、若い娘にずいぶんな言いようじゃない?」

「え……あ、はい……」

「こんな可愛い娘に対して一体何回『ブス』って言ったの?」

「え……えっと……二回? です」

「四回……」
  私はすかさず小声で突っ込んだ。

「そうね、四回だったわね」

「え? そんなに言いましたっけ?」

 魔女(まじょ)さんは彼らの顔をじっと見つめた後、「ふぅ――」っとため息をはいた。

「あなたねえ、若い娘の心に一生残る(きず)をつけるかもしれない、ひどい言葉をはいておいて、それを何回言ったのかもおぼえていないの?」