梨花は叔父の慎吾は出張でしばらくは帰らないらしい。
梨花は空いている部屋を使わせてくれた、自分の荷物を置き、クローゼットに自分の洋服を並べて鞄から夏休みの課題や勉強道具を机に並べ、荷ほどきを済ませた。
そして梨花と共に夕飯を食べる、だれかと夕飯を食べるなんていつぶりだろうと思うと涙が出そうになった、梨花の作る手料理はとっても美味しかった。
新しい環境に慣れない文香を梨花は優しくサポートしてくれてとてもありがたかった。
来る前は不安で眠れるか心配だったが案外ぐっすりと寝れた、そして朝ごはんを食べて文香は部屋に戻り夏の課題を進めた。
気づいたら夕方になっていた、日差しも弱まってきたので龍頭岬に本を持って散歩に出掛けた。
本を読み終えて沈みゆく夕日を眺めながら裸足で 桂浜を歩いていると、昨日の少年がまたもスケッチをしていた。
顔が気になったが目が合うのが怖いのでそのまま無視して歩いた、そして梨花の家へと帰ってきたまた夕ご飯を食べ課題を終わらしベッドに入った。
桂浜にいた少年のことがやけに気になって昨夜はよく眠れなかった。
朝起きると梨花が朝食を作ってくれていた、先にシャワーを浴びて洗面を済ませて梨花の朝食をいただいた、さすが兄弟料理、腕は一流である。
そして夏の課題を済ませまだ慣れていない土地、浦戸を散策しに出掛けた。
夕方になり本を読み終え 桂浜を歩いているとやっぱり昨日の彼がいた、一瞬立ち止まり彼を遠くから眺めることにした。

