京子が半ば不服そうに帰った後、
その後ろ姿が見えなくなったところで
雅俊が口を開いた。


「似ているな、あの子に」

「…そんなことないさ」

「気に入っているのは、
 それが理由か」

「似てないよ」


牧は雅俊からファイルを受け取り、
それをひらひらと振って背を向けた。


「全然…似てない」


牧はファイルの中のA4紙を取り出し、
目を通しながら歩き出した。

すべて英語で書かれた
パンフレットと案内状には、
ところどころに雅俊のメモが残されていた。