さっきまで休憩でリラックスしていたみんなに緊張した空気が走る。

あたしもドキドキしてきちゃった。

「まずはベンチから!一年、夏川修司、寺嶋辰樹、二年…」

コーチの声に耳を傾ける横顔は真剣そのもの。

「三年、園田葉!」

「えっ…!」

声を発したのは、葉ちゃん本人だった。

あたしも思わず声が出そうになった。

葉ちゃんがベンチ?

「次にスタメン、一年、浅丘涼太、二年、水谷瞬也、三年、浅丘聡太、鳴瀬郁斗、久住優大、今回の試合はこのメンバーでいく!」

コーチはその後明日の日程について話すと最後に葉ちゃんを呼び、何か話して帰っていった。

「聡太!」

コーチとの話が終わり、コートを片付けをしていた浅丘君に葉ちゃんが走り寄る。

こんなに厳しい顔をした葉ちゃん、初めて見る。

「なんで、…誰にも言わないでって言ったのに…!」

「そんなの約束できない、だって怪我がひどくなったらもうバスケできないかもしれないんだろ?」