一ノ瀬さん家の家庭事情。LAST season

もしかして、浅丘君はこの状況なんとも思ってないの!?

いやいや、あたしってわがまますぎだよ。

勝手にドキドキして、緊張して、それで何もなかったらがっかりして…

結局なにがしたいのよ!

けど…

あたしは浅丘君とキス以上のことがしたいとか、もっと先に進みたいとか、そういうことじゃなくて、それだけのことじゃなくて…

あたしは浅丘君と…

「あ、愛!?」

目の前には浅丘君の背中。

ううん、背中は見えない。

だってあたし、それくらい浅丘君の背中に顔を近づけてるから。

伝わってくる、あったかい体温。

「…愛、どうしたの?」

浅丘君がこっちを向いて、あたしを抱きしめてくれる。

浅丘君の心臓も、すごくドキドキしてる。

「こうしたかったの…だめ?」

女の子からこんなこと、変かな?

だけどあたし、浅丘君にこうしたかったの。

「ううん、けど俺、…」

浅丘君の手があたしの頬を撫でる。