一ノ瀬さん家の家庭事情。LAST season

繋いだ手はあったかくて、そこからあたしの心臓の音、伝わっちゃうんじゃないかってまた別の意味でドキドキして。

「ついた!ここだよね?」

さすがは有名な観光スポットらしい神社はカップルで賑わってる。

「まずはお参りしよう!」

あたしは財布から50円をとりだした。

ケチかな?

いや、でも50円がちょうどいい気がするんだよね。

お金を投げて、手を合わせる。

神様、お願いします。

この先もずっと、浅丘君と仲良くできますように。

距離が離れても、ずっと気持ちは一緒でありますように…

目を開けると浅丘君がこっちを見てた。

「な、なに!?」

「ううん、なんか一生懸命なところ、可愛いなって。」

か、かわいい…

面と向かって言われると照れる…

っていうか、かわいいだなんて!

そんなストレートに褒められちゃうとなんだか恥ずかしい!

「浅丘君は何お願いしたの?」

「…ひみつ。」