一ノ瀬さん家の家庭事情。LAST season

「卒業生代表、答辞、三年E組、相沢美佳子。」

「はい。」

ミカリンが堂々と壇上に上がっていく。

「春の暖かな日差しが…」

ミカリンはゆっくり、丁寧に、堂々と読んでいく。

本当に今日で卒業なんだ。

改めて強く実感する。

ミカリンとも教室でおしゃべりすることはなくなる。

この体育館で部活をしたり体育の授業をすることもなくなるんだ。

「私はこの春日台高校でたくさんのことを学び、成長することができました。本当にありがとうございました。」

ミカリンの答辞が終わると、いよいよ最後に卒業の歌を歌って終わりだ。

ピアノの伴奏ははるひちゃん。

そのメロディーが流れ出すと、涙腺がみるみる緩んでくる。

周りからも鼻をすする音が。

楽しかった。

辛かった。

大変だった。

いろんな感情がごちゃ混ぜになるけどあたし、この高校に入って本当に良かった。