「あ、でもこれ一人分じゃない。」

「だから!相沢さん行ってきて!一ノ瀬さんは…すんません!俺、あの…」

あっ!

「いいのいいの!あたしなんてほら、もともとお邪魔虫なんだから!気にしないで!」

「じゃあ遠慮なく行ってくるわね!後でね!」

ミカリンはそう言うと颯爽とサイン会会場に行っちゃった。

残されたあたしと相楽君。

「じゃあどっか座ってましょうか!」

「そうだね!」

あたしたちは近くにあった休憩スペースで自販のジュースを飲むことにした。

「ねえねえ、聞いてもいいっすか?」

「ん?」

「学校での相沢さんってどうなんすか?モテてますよね?やっぱり…」

相楽君が心配そうに缶のプルタブをいじいじしてる。

この人、本当にミカリンが大好きなんだなぁ。

見た目は少しチャラいって思ったけど、本当にまっすぐにミカリンのこと、大好きだって気持ちが伝わってくるよ。

「ミカリンはね、しっかり者でみんなの人気者だよ。」