で、えーっと、あたしはなにをしてたんだっけ?

「愛!ちょっと手伝ってくれないかな?」

キッチンから優兄の声。

今日の料理担当は優兄。

「うん!」

すっかりあたしの頭から抜け落ちていたこと。

それはその前日になるまで思い出せなかった。

そしてその日の前日。

あたしはミカリンからの電話で思い出した。

「ごめん!それが浅丘君は用事があって…」

「なら愛だけでもいいから、来て。」

あたしだけ?

それってただのお邪魔虫じゃん!

「でも相手の人にも悪いし…」

「相手の人、愛が来ても構わないって言ってるから。じゃあ明日駅に10時ね、おやすみ。」

おいっ!

あ、切れてる…

ミカリン、強引だよ…

どうすんだ、あたし。

本当に行っちゃっていいの?

ノコノコ待ち合わせ場所にどんな顔して行けばいいの?

「邪魔なんだけど、そこ。」

部屋の床に寝転がってると頭の上から冷たい声が降ってきた。