なんでそんな真剣な顔して…

少し怖くなる。

りっちゃんが真剣な顔してる時ってたまに本当に大切な話だから。

「これ、父さんから預かってたんだ。愛の十八歳の誕生日に渡して欲しいって。」

りっちゃんがテーブルに置いたのは少し色あせたピンク色の封筒。

宛名も差出人も書いていない。

「俺はまだ中身を見てない。だけど誰からかは聞いてる。それは愛が自分の目で確かめて欲しい。」

あたしに?

「愛がこれを読んだあと、どう思うかはわからない。けど俺たちはずっと愛の味方で、愛の家族には変わらないから。」

りっちゃんはそう言い残してあたしの頭をそっと撫でると静かにリビングから出ていった。

残されたあたしはゆっくりと封筒に手を伸ばす。

早く見たい、けど少し怖い。

誰から?

なにが書いてあるの?

あたしが知らないこと?



丁寧に封を切った。