今日何回泣くんだろう。

やっぱり歳をとるごとに涙腺が弱くなってるのかも…

「ありがとう、すごく嬉しい…!」

また1つ、宝物が増えた。

「チョコありがとう。帰って大事に食べるね。」

あたしは浅丘君が見えなくなってもずっとずっとポーッと外に立っていた。

「愛、何してるの。早く入りなよ。バカでもこれだけ寒けりゃ風邪くらいひくよ。」

玲さんの声にやっとこさ家に入る。

ほんとだ、手の感覚がなくなるくらい外にいたんだ。

「あと律兄が渡したいものがあるから先にお風呂入ってきなよって。」

渡したいもの?

そういえば今日の朝、夜渡すから!って言ってたっけ。

なんだろう…

りっちゃんにはいつもすごくお世話になってるからむしろこっちがお礼をすべきなんじゃ?

お風呂から上がってリビングに行くとなぜかりっちゃんしかいなかった。

「他のみんなは?」

「…愛に、渡したいものがあるんだ。」