神崎先生にはない少しの隙とかもあるからすごくモテそう。

「愛ちゃん、学生課さっき通り過ぎた校舎だって。」

うん、この人大丈夫なのかな…

年下のあたしでさえこんなに心配になっちゃうんだから年上のお姉様方なんてもうそりゃヒモでもなんでもかまってあげたくなっちゃうかもね。

「ここか…」

大学は春休み中だからちらほらとしか人はいない。

電話もしていないし、ここで会えなかったらもうきっと会いに来ないんだろうな。

「あっ…」

皓さんが小さく声を上げた。

「いましたか?」

「…っ…」

皓さんの視線の先には小柄な女の人。

あの人が那奈さん?

その女の人はあたしたちの不審な動きに気がついた。

こ、こっちに来る!!

「俺やっぱり…」

「何言ってるんですか!ここまできて…!」

「だって…」

「皓さん!」

あたしが言うとその人は目を丸くしてあたしたちを見た。

やっぱり、この人が…?