いつになったら浅丘君の隣を堂々と歩けるような女の子になれるのかな。

こんなに優しくて、穏やかで、あたしにはもったいないよ。

釣り合わないよ。

何も悩んでないなんてそんな言葉、彼女失格だ。

今まで浅丘君の何を見てきたの?

苦しんでるところ、辛いところ、たくさん見てきたくせに。

家族のことなんて関係ないのに。

こんなのただの八つ当たりだ。

また逃げたくなってる。

だけどあたし、今は浅丘君のそばにいるのがすごく、すごく苦しいよ。

大好きなのに、そばにいたいっていつも思ってるのに。

「浅丘君、…あの、…」

言いたくない。

だけどこれ以上優しい浅丘君を、大好きな浅丘君を困らせたくない。

勝手に悲しんで、辛くなって。

だけどこれが一番いい選択だって思うのは短絡的すぎなのかな。

この選択は後悔するの?

後悔したって今のあたしにはそんな先のことわかんないよ。