そこに立っていたのは神崎先生。

「何してるんだよ、帰ってきてたのか?」

「…朔。久しぶりだね。」

皓さんの唇の端をあげて笑う。

「愛に何してるんだよ…!何が余計なことを…」

「余計なこと?」

皓さんがゆっくりとブランコから立ち上がり、先生に近づいた。

こうして並ぶと皓さんは暁ちゃんよりも先生に似てる。

ということはどっちもお母さん似なのかな。

なんてことを考えてると

「大事なこと、言ってなかったのはあんたらだろ?愛に真実を教えてなかった。暁のこと、俺にとってはまだ過去の思い出なんかにできない。どうしようもないくらいに誰かを憎んでなきゃやってらんないんだよ…!」

皓さんは先生の胸ぐらを掴んだ。

「暁の代わりに教師になんてなってバカじゃない?朔はいつもそうだったよな、いい子で優等生で。」

どうしよう、このままじゃけんかに…

「…皓、一度帰ろう?ちゃんと話そう。」

「何を話すんだよ?あの親父と!お前と!無理やり寮に押し込めた奴らと!?」