「あのさ、俺昨日見ちゃったんだよね、愛ちゃんが男の人と抱き合ってるの…」

えっ…!?

どうしよう…!?

あれは違うの、だって、でも…

なんて説明すればいいの!?

頭が回らない…!

「俺さ、愛ちゃんのこと信じてるよ。だから言っとく。」

いつもニコニコかわいい葉ちゃんの顔がすごく強張った。

こんな顔、試合前以外に見たことない。

「聡太のこと傷つけたら許さないから。愛ちゃんでも。」


聡太のこと、傷つけたら…

あたし、浅丘君のこと傷つけるようなことしてたんだ。

そうだよね、おかしいよね。

「愛ちゃん、今日なんか上の空だね。なんかあったの?」

何もしらない皓さんに少しイラっとした。

「ね、またぎゅってしてよ。あれしてると暁みたいで安心する。」

「皓さん、あたし付き合ってる人いるんです。だからそれは…」

その時、誰かがあたしたちの前に立った。

「皓?…皓なのか!?」

皓さんの目が光った。