暁ちゃんは、動いていなかった。
息をしていなかった。
「どこにこの悔しさを、悲しみをぶつけていいのかわからないんだ。だから俺は28にもなってこんな風に君に会いにきた。だって君にぶつけることしか思いつかなかったから。生まれたばかりの君を見て、動かない暁を見て。暁は俺の全てだった。暁だけが俺の希望だったのに。そんなたった一つの希望を奪った。だから俺は…」
いや、聞きたくない…!
「君を許さない…」
その声は静かで、だけど怒りを含んでて。
「愛ちゃん、今幸せなんだよね、たくさんの人に愛されて、楽しいんだよね?」
頷けばどうなってしまうんだろう。
なにを、されるんだろう。
「俺はね、ずっと不幸だよ。暁が死んでから。沙和さんたちとはうまくいかなくなった。もともと暁が間にいたからなりたってた関係だったから。俺は中学から東京の中高一貫の全寮制の学校に行くことにした。暁のいないあの家から早くでたかった。」
息をしていなかった。
「どこにこの悔しさを、悲しみをぶつけていいのかわからないんだ。だから俺は28にもなってこんな風に君に会いにきた。だって君にぶつけることしか思いつかなかったから。生まれたばかりの君を見て、動かない暁を見て。暁は俺の全てだった。暁だけが俺の希望だったのに。そんなたった一つの希望を奪った。だから俺は…」
いや、聞きたくない…!
「君を許さない…」
その声は静かで、だけど怒りを含んでて。
「愛ちゃん、今幸せなんだよね、たくさんの人に愛されて、楽しいんだよね?」
頷けばどうなってしまうんだろう。
なにを、されるんだろう。
「俺はね、ずっと不幸だよ。暁が死んでから。沙和さんたちとはうまくいかなくなった。もともと暁が間にいたからなりたってた関係だったから。俺は中学から東京の中高一貫の全寮制の学校に行くことにした。暁のいないあの家から早くでたかった。」



