少し、考える時はある。

もしあの事故がなくて、暁君と唯ちゃんがあたしのお父さんとお母さんで、一人っ子として育っていたらどうなってたのかなって。

うまく想像できない。

「愛は暁にも似てるけど唯にそっくりだよ。」

写真の中の唯ちゃんは小柄で可愛らしい印象だった。

あたし、あんなに可愛くないよ。

「愛がこんなに可愛くて、優しくて、しっかりしたいい子に育ってくれて俺は本当に嬉しい。愛が幸せだって思えることがあの二人も1番に望んでることだからな。」

本当のことを言うとね、たまに考えちゃうんだよ。

本当にたまに。

あたしはみんなの本当の妹じゃない。

まるでたまにでてくる悪い夢みたいに。

けどすぐにそんなのなくなっちゃう。

騒がしくて、けどあったかいみんなといるとそんなこと関係ない、あたしはここにいたいって思うんだ。

それもお父さんがあたしを、一ノ瀬家に引き取ってくれなおかげだ。