「そういえば愛に彼氏ができたって律が電話してきたことがあったなあ…」

うえっ！？

あたしは思わず飲んでいたお茶を吹き出しそうになる。

りっちゃんってば普段は国際電話は高いから滅多にしないくせに…！

「その時は少し驚いたけど、バスケ部の選手なんだって聞いて、ああ、血筋は争えないなって嬉しかったよ。」

へ？

血筋？

「あれ、知らなかったのか？暁と唯はバスケ部の選手とマネージャーだったんだよ。」

そうなの！

あたしと同じだ。

「あの二人が付き合いだした頃俺はもう幸と結婚してたから唯を本当の妹みたいに可愛がってたからなんか複雑だったなあ…」

今のりっちゃんみたいな？

「でも暁は本当にいいやつだ。底抜けに明るくてたまに考えすぎちゃう唯とのバランスが良かったのかもな。」

写真の中の暁君はどれも笑顔ばかりだった。

神崎先生も言ってたっけ。

暁君は毎日騒がしかったって。