一ノ瀬さん家の家庭事情。LAST season

あたしの彼氏、浅丘聡太君!

「早いね、もうクラス見たの?」

「ううん、まだ。」

今日もかっこいいなあ…

本当に浅丘君って爽やか好青年の代表格って感じ。

誰にでも優しくて気さくだから人気者だし、バスケもめちゃウマでチームをまとめる頼れるキャプテン。

それにこの見た目、爽やかなルックス、長い手足、明るい性格。

モテないはずのない、いや、むしろモテ要素しかない彼がなぜこんな平々凡々、しかも悪魔ブラザーズこぶつきなあたしなんかと付き合ってくれているのかって?

それは未だに解き明かせない謎だ。

いや、今年は少し、自信を持つんだ。

…あ、浅丘君もあたしが、その、…す、好きだから、…

って思いたい!

いや、思わせてください!

「あーい、何拝んでんの?祈ったって聡太と同じクラスにはなれないのよ?」

その艶っぽい声、風に乗ってくる甘めの、だけどいい香りでうっとりする香水の香り。