それにしても玲が獣医かぁ…

本当にちゃんと考えていたんだね。

北海道ってことはこの家を出て行くんだね。

また一人、いなくなっちゃう。

二人で使うには少し狭いこの部屋だって来年からはもしかしたらあたし一人で使わなくちゃいけなくなるのかもしれない。

そう思うと少しだけ、さみしくなる。

「愛は余計なこと考えずに自分の進路、しっかり決めなよ。こればっかりは誰かに決めてもらうことなんてできないんだから。」

…玲にこんなことを言われる日が来ようとは…

夢にも思いませんでした!

そうだよね、まずは自分の進路。

なんとなく、じゃなくてはっきり明確に決めなくちゃ。

お金を出してくれるのはどうしたってお父さんや紀穂さん、世話をしてくれるのはりっちゃんなんだから。

自分の進みたい道に進まさしてくれる人たちがいることが大きな力になる。

だったらあたしは自分でできることはしっかりやるのみだよね。