月光が照らす夜、君と、もう一度。




結局、私の家に着くまで、夜摩が口を開けることはなかった。


ほんとに、どうしたの。





私の家のドアの前に着くと、いつもは、「またね」と言ってくれるはずの夜摩が、今日は、「バイバイ」しか言わなかった。

お、おかしいっ!!


「ま、待って!」


私が呼び止めても、無視。


いつもならすぐ振り向いてくれるくせに…。


「ねぇ、待って!」


私は夜摩の服を掴んだ。


「…なに?」


返ってきたのは今まで聞いた事のない低い声。


こ、怖い…、ひ、怯むな私っ!!

「き、今日どうしたの?なんか、様子変だよ…?」


驚く程に私の声は震えていた。


それに気づいたのか、少し声が緩んだ。


「いや、何も?それより早く中に入りなよ」


「そ、そういう事じゃなくて。なんか、あった?私、もう子供じゃない。夜摩の力になりたいの」


「じゃあ…」


夜摩の言うことなら何でもする…。


「家の中に入って」


「へ?」


「俺の力になりたいんでしょ?なら家の中に入って」


そういうことじゃないのにっ!!


「お願い、私風邪ひかないから!ね?」


家の中に入ったら…入ったら、夜摩が…



居なくなっちゃう、



気がしたんだ。


なのに、、


「じゃあ、バイバイ」


今も、私に背を向ける。