結局、私の家に着くまで、夜摩が口を開けることはなかった。
ほんとに、どうしたの。
私の家のドアの前に着くと、いつもは、「またね」と言ってくれるはずの夜摩が、今日は、「バイバイ」しか言わなかった。
お、おかしいっ!!
「ま、待って!」
私が呼び止めても、無視。
いつもならすぐ振り向いてくれるくせに…。
「ねぇ、待って!」
私は夜摩の服を掴んだ。
「…なに?」
返ってきたのは今まで聞いた事のない低い声。
こ、怖い…、ひ、怯むな私っ!!
「き、今日どうしたの?なんか、様子変だよ…?」
驚く程に私の声は震えていた。
それに気づいたのか、少し声が緩んだ。
「いや、何も?それより早く中に入りなよ」
「そ、そういう事じゃなくて。なんか、あった?私、もう子供じゃない。夜摩の力になりたいの」
「じゃあ…」
夜摩の言うことなら何でもする…。
「家の中に入って」
「へ?」
「俺の力になりたいんでしょ?なら家の中に入って」
そういうことじゃないのにっ!!
「お願い、私風邪ひかないから!ね?」
家の中に入ったら…入ったら、夜摩が…
居なくなっちゃう、
気がしたんだ。
なのに、、
「じゃあ、バイバイ」
今も、私に背を向ける。

