行きたいところがないのか、「うーん」と言うばかりだった。
「行きたいところがないんだったら私が、」
「あ、」
私が行きたいところ行っていい?と言おうとしたが、夜摩の声にかき消された。
隣の夜摩を見ると、何かを考えているのか、一点を見つめて黙ってしまった。
…なんか、顔色悪い?
もしかして体調悪くなっちゃったかな…。
「夜摩、体調悪いんだったら帰…」
「優愛、伏せて」
突然の夜摩の言葉に、うまく頭が回らず、その場で唖然としていた。
すると突然、目の前から黒ずくめの男の人が私たちの方へ走り込んできた。
その男は多分…ナイフを持っている。
走り込んできた男は、私にナイフを振り上げた。
が、夜摩がナイフをカバー。
その後、その男の人の脇腹を蹴り上げた。
一瞬の出来事に、まだ立ち尽くしていた私を夜摩が抱えて、その場から離れた。

