「そ、そっかー、良かったー!」
「な、何が?」
「いや、ねぇ。彼氏がいたら俺たちと居たらマズイじゃん?」
…た
確かに。
「也磨斗、お前彼氏がいるとかいないとか聞くのはあんま良くない。デリカシーのないヤツ…。」
ふふっ、確かに。でも、それが也磨斗だもんね。
私たちはそれから他愛のない話をした。
話を聞いているうちに今の2人のことがよく分かった気がする。
しばらく話していると、早苗と香苗を置いて長く留守にしていたことを思い出す。
いくら鍵をかけていても2人だけは心配だな。
私はブランコから立ち、2人に別れを言った。
「私、帰るね」
自分で言ったことだけど、少し寂しいと思ってしまった。
だから余計に嬉しかったんだ。
「優愛、また会える?」
夜摩がそう言ってくれたことが。
でも私はふと思った。
…あのことは忘れようとしていたのに、夜摩と過ごしていたらまた思い出してしまうのではないか、と。

