「それでは、これから実習訓練を始めます」
教官…シルナ・エインリーの分身の一人…が、僕達に向かって言った。
ここはイーニシュフェルト魔導学院の、訓練場。
実習訓練の稽古場である。
実技の授業は、僕達一年生にはほとんど行われない。
学年が上がっていけば、実技の授業も増えるのだが。
一年生は、週に二、三回が関の山。
だがやはり、折角魔導学院に入ったのだから、実技の授業というのは楽しみなもの。
少なくとも、僕以外の生徒にとっては。
皆わくわくとした様子で、杖を握り締めていた。
そんなに楽しみか。
実技とはいえ、一年生の実技なのだから、大したことはしない。
「それじゃあまず、この魔導人形相手に、一人ずつ雷魔法を撃ってもらいます」
おまけに、実技は対人ではなく、この魔導人形相手。
こんなもの、ただのハリボテだ。
ハリボテ相手に魔法の訓練とは。生ぬるいにも程がある。
それでもクラスメイト達は、そんな訓練でも楽しみなようで。
仕方がないので、僕も楽しそうな振りをするしかない。
楽しくもないのに楽しい振りをすることの、なんと苦痛なことか。
しかも。
「はい、じゃあ次、ナジュ・アンブローシア君」
「はい」
実習授業は、僕にとって、若干緊張の場面でもある。
目立ち過ぎてはいけないからだ。
上手過ぎても、下手過ぎてもいけない。
あくまで平均的に、上手くもなければ下手でもない、目立たない程度に手を抜いて。
それも、シルナ・エインリーの分身に、気づかれないようにやらなければならない。
本当の実力を隠していることを、悟られないように。
これが大変難しい。
分身とはいえ、シルナ・エインリーの観察眼は本物だ。
ただ適当に手を抜けば良い、という訳ではないのだ。
「…rhundet」
僕は、力加減に気を付けながら、魔導人形に雷魔法を撃ち込んだ。
上手くも下手でもない、程々にそこそこな威力。
何かを勘づかれてはいないかと、ちらりと教官を盗み見るが。
「はい、宜しい。それじゃあ次の人」
「はい」
…特に、僕を気に留めている様子はなかった。
ホッと一安心。
全く神経を使わされる。
これだったら、退屈な座学の授業を受けている方が、まだマシかもしれない。
教官…シルナ・エインリーの分身の一人…が、僕達に向かって言った。
ここはイーニシュフェルト魔導学院の、訓練場。
実習訓練の稽古場である。
実技の授業は、僕達一年生にはほとんど行われない。
学年が上がっていけば、実技の授業も増えるのだが。
一年生は、週に二、三回が関の山。
だがやはり、折角魔導学院に入ったのだから、実技の授業というのは楽しみなもの。
少なくとも、僕以外の生徒にとっては。
皆わくわくとした様子で、杖を握り締めていた。
そんなに楽しみか。
実技とはいえ、一年生の実技なのだから、大したことはしない。
「それじゃあまず、この魔導人形相手に、一人ずつ雷魔法を撃ってもらいます」
おまけに、実技は対人ではなく、この魔導人形相手。
こんなもの、ただのハリボテだ。
ハリボテ相手に魔法の訓練とは。生ぬるいにも程がある。
それでもクラスメイト達は、そんな訓練でも楽しみなようで。
仕方がないので、僕も楽しそうな振りをするしかない。
楽しくもないのに楽しい振りをすることの、なんと苦痛なことか。
しかも。
「はい、じゃあ次、ナジュ・アンブローシア君」
「はい」
実習授業は、僕にとって、若干緊張の場面でもある。
目立ち過ぎてはいけないからだ。
上手過ぎても、下手過ぎてもいけない。
あくまで平均的に、上手くもなければ下手でもない、目立たない程度に手を抜いて。
それも、シルナ・エインリーの分身に、気づかれないようにやらなければならない。
本当の実力を隠していることを、悟られないように。
これが大変難しい。
分身とはいえ、シルナ・エインリーの観察眼は本物だ。
ただ適当に手を抜けば良い、という訳ではないのだ。
「…rhundet」
僕は、力加減に気を付けながら、魔導人形に雷魔法を撃ち込んだ。
上手くも下手でもない、程々にそこそこな威力。
何かを勘づかれてはいないかと、ちらりと教官を盗み見るが。
「はい、宜しい。それじゃあ次の人」
「はい」
…特に、僕を気に留めている様子はなかった。
ホッと一安心。
全く神経を使わされる。
これだったら、退屈な座学の授業を受けている方が、まだマシかもしれない。


