「…新聞部…?」
令月も、少しびっくりしたらしく。
懐から、小刀を出そうとしていた。
何を持ち歩いてんだ、お前は。
「はい!私達イーニシュフェルト魔導学院、新聞部です!私は部長のベルカ!」
「副部長のアスミ!」
「書記のフウカ!」
元気一杯、学院のスクープは絶対に逃さない。
イーニシュフェルト魔導学院が誇る、新聞部三人組である。
どうやら敵意はないと察したらしく、令月は小刀をしまった。
一生しまっときなさい。
今度小刀を出そうとしたら、没収だな。
「あなたが、今話題の編入生ですね?」
「黒月令月さんという!」
「謎多き二年生!」
「はぁ…。いかにも黒月令月だけど」
謎は確かに多いな。
「突然ですが、取材させてもらっても宜しいでしょうか!」
「取材…?僕で良ければ何でも…。しかし、僕に取材して面白いこと、何かある?」
めちゃくちゃあると思うぞ。
「取材許可ありがとうございます!」
「ありがとうございます!」
「ありがとうございます!」
「どういたしまして」
いちいち復唱するのは、新聞部の特権だな。
「ではまず第一の質問!黒月さんの出身地は?」
「イーニシュフェルトに来るまではどの学校に?」
「ご家族は何処に?ご兄弟は?」
色々やべぇ質問が飛んできてる。
令月は性格が素直だから、素直に答えかねん。
冷や汗を流す俺達。
まさかあいつ、馬鹿正直に答え、
「出身地は地球。以前の学校は青空教室、地球の人々は皆僕の家族であり、兄弟です」
良いぞ。
大変良い返答だ。
「ほう!ユニークな返答ですね!」
「新聞部としては、もっと詳しく聞きたいところですが」
「でも、敢えてその返答を採用させて頂きます!」
よし、新聞部も良い感じに天然だぞ。
「では次の質問!ご自分の性格はどんな感じだと思ってますか?」
「特技は何ですか?」
「趣味は?」
これまた答えにくい質問である。
「性格は良い方じゃないと思う。特技はない。一つを特技にしちゃったら、他のことは不得意になっちゃうから。趣味は人間観察」
ギリギリを責めていく感じの令月。悪くない。
自分の性格を、「良い方じゃない」と表現するのはアリだな。
「悪い」と答えるのはちょっと憚られるもんな。
そして、特技の答え方が格好良い。
「成程成程!」
「趣味が人間観察は良いですね!」
良いか?
「例えば誰を観察してますか?」
「最近は学院長かな」
「嘘っ!?私観察されてる!?」
シルナはガバッと立ち上がり、周囲を見渡した。
大丈夫。観察してるの、むしろこっちだから。
「ほう!黒月さんから見て学院長先生は、どんな風に見えてますか?」
「…そうだな…節足動物かな」
なぁ。
もしかして俺達、監視してるのバレてんじゃね?
急激に冷や汗出てきたんだけど。
「他の先生は?例えば、イレース先生はどんな印象ですか?」
「手強そうかな」
「羽久先生は?」
「多分勝てない」
「ナジュ先生は?」
「隙を突けばワンチャン」
倒すことを前提に、教師陣を観察するのやめてもらえないかな。
「好きな食べ物は何ですか?」
「白米」
「逆に、嫌いな食べ物は?」
「ミミズ。ジャリジャリしてて食べにくい」
むしろ、何で食べてるの?
「ズバリ、好きなタイプは?」
「タイプ?」
「こんな人が好き!って人は?」
「自分を殺そうとしない人かな」
幅広い。
物凄く幅広い。
それ、好きな人じゃなくて普通の人。
「恋人に求める条件とかあります?」
「人間であること」
それ、条件じゃなくて普通の人。
「憧れてる人はいますか?」
「普通の人間」
それ、もう完全に普通のry(。
肝心なことは何も言ってないので、その点は安心だが。
別のところが心配になってきた。
令月も、少しびっくりしたらしく。
懐から、小刀を出そうとしていた。
何を持ち歩いてんだ、お前は。
「はい!私達イーニシュフェルト魔導学院、新聞部です!私は部長のベルカ!」
「副部長のアスミ!」
「書記のフウカ!」
元気一杯、学院のスクープは絶対に逃さない。
イーニシュフェルト魔導学院が誇る、新聞部三人組である。
どうやら敵意はないと察したらしく、令月は小刀をしまった。
一生しまっときなさい。
今度小刀を出そうとしたら、没収だな。
「あなたが、今話題の編入生ですね?」
「黒月令月さんという!」
「謎多き二年生!」
「はぁ…。いかにも黒月令月だけど」
謎は確かに多いな。
「突然ですが、取材させてもらっても宜しいでしょうか!」
「取材…?僕で良ければ何でも…。しかし、僕に取材して面白いこと、何かある?」
めちゃくちゃあると思うぞ。
「取材許可ありがとうございます!」
「ありがとうございます!」
「ありがとうございます!」
「どういたしまして」
いちいち復唱するのは、新聞部の特権だな。
「ではまず第一の質問!黒月さんの出身地は?」
「イーニシュフェルトに来るまではどの学校に?」
「ご家族は何処に?ご兄弟は?」
色々やべぇ質問が飛んできてる。
令月は性格が素直だから、素直に答えかねん。
冷や汗を流す俺達。
まさかあいつ、馬鹿正直に答え、
「出身地は地球。以前の学校は青空教室、地球の人々は皆僕の家族であり、兄弟です」
良いぞ。
大変良い返答だ。
「ほう!ユニークな返答ですね!」
「新聞部としては、もっと詳しく聞きたいところですが」
「でも、敢えてその返答を採用させて頂きます!」
よし、新聞部も良い感じに天然だぞ。
「では次の質問!ご自分の性格はどんな感じだと思ってますか?」
「特技は何ですか?」
「趣味は?」
これまた答えにくい質問である。
「性格は良い方じゃないと思う。特技はない。一つを特技にしちゃったら、他のことは不得意になっちゃうから。趣味は人間観察」
ギリギリを責めていく感じの令月。悪くない。
自分の性格を、「良い方じゃない」と表現するのはアリだな。
「悪い」と答えるのはちょっと憚られるもんな。
そして、特技の答え方が格好良い。
「成程成程!」
「趣味が人間観察は良いですね!」
良いか?
「例えば誰を観察してますか?」
「最近は学院長かな」
「嘘っ!?私観察されてる!?」
シルナはガバッと立ち上がり、周囲を見渡した。
大丈夫。観察してるの、むしろこっちだから。
「ほう!黒月さんから見て学院長先生は、どんな風に見えてますか?」
「…そうだな…節足動物かな」
なぁ。
もしかして俺達、監視してるのバレてんじゃね?
急激に冷や汗出てきたんだけど。
「他の先生は?例えば、イレース先生はどんな印象ですか?」
「手強そうかな」
「羽久先生は?」
「多分勝てない」
「ナジュ先生は?」
「隙を突けばワンチャン」
倒すことを前提に、教師陣を観察するのやめてもらえないかな。
「好きな食べ物は何ですか?」
「白米」
「逆に、嫌いな食べ物は?」
「ミミズ。ジャリジャリしてて食べにくい」
むしろ、何で食べてるの?
「ズバリ、好きなタイプは?」
「タイプ?」
「こんな人が好き!って人は?」
「自分を殺そうとしない人かな」
幅広い。
物凄く幅広い。
それ、好きな人じゃなくて普通の人。
「恋人に求める条件とかあります?」
「人間であること」
それ、条件じゃなくて普通の人。
「憧れてる人はいますか?」
「普通の人間」
それ、もう完全に普通のry(。
肝心なことは何も言ってないので、その点は安心だが。
別のところが心配になってきた。


