「あっ!ナジュ君!私シルナ!シルナだから大丈夫!」
何が大丈夫なんだよ。
何度も言うが、お前がここで何を言おうが、向こうには全く通じてないからな。
ただのカマキリだから。
「成程、カマキリと正面衝突…。気の毒に」
泣いている少女の心を読み、事態をいち早く呑み込んだナジュは。
「全く、なんて酷いことをするカマキリですかね…」
シルナオオカマキリの胴を、指で掴み。
イレースみたいに投げ捨てるのかな、と思ったら。
何を思ったのか、
「…えい」
シルナオオカマキリの目に、デコピンかましやがった。
「あ痛いっ!!」
いやシルナ、お前は痛くないだろ。
痛覚共有してないんだから。
しかし、ナジュ、お前なんて酷いことを。
カマキリだって生きてるんだぞ。
「大丈夫ですよ。こんな下衆カマキリ、僕が退治してやりますから」
マーガレットに向かって、優しく笑いかけるナジュ。
退治も何も、お前今目潰ししたじゃん。
鬼か悪魔の所業。
しかも。
「よ…っと」
ナジュは、窓を開けて、ひょいっと外に出て。
適当な大きさの石を拾う。
まさかその石で殴り付けるのか、と思ったが、それは違うようで。
ナジュはその石で、地面に穴を掘り始めた。
お、お前まさか。
穴がある程度の大きさになると、ナジュは。
「来世は…善行を積んで、生まれ変わるんですよ」
優しくそう言って、シルナオオカマキリを穴の中に放り込み。
足で土をかけ、何度か踏みつけて、しっかり地面を踏み固めた。
「な…な…なんてことを…」
シルナ、絶句。
…生き埋めにしやがった。あの野郎。
血も涙もない。
「はい、退治しましたからね。もう大丈夫ですよ」
廊下に戻ったナジュは、座り込んで泣くマーガレットに手を差し伸べた。
その胡散臭い、優しい笑顔よ。
「あ…ありがとうございます…」
「いえいえ。怖い思いをしましたね、でも大丈夫ですよ。さぁ、一緒に食堂に行きましょうか。泣くようなことじゃありませんからね」
ナジュはマイハンカチを取り出して、マーガレットの手に握らせた。
あ、あいつ…。
「…」
マーガレット含め、様子を見ていた生徒一同は。
女子生徒は、ナジュを思慕の眼差しで見つめ。
男子生徒は、ナジュを羨望の眼差しで見つめた。
こんな下らないことで、あいつ…自分の点数稼ぎしてやがる。
さすが、イーニシュフェルト教師陣人気一位の座を、半年足らずでシルナからかっさらっていっただけのことはある。
やることがジェントルマン。
しかし残酷。
「シルナオオカマキリがぁぁぁぁ」
「…儚い命だったな…」
二代目、死す。
もう、形態をカマキリにするのやめたら?
何が大丈夫なんだよ。
何度も言うが、お前がここで何を言おうが、向こうには全く通じてないからな。
ただのカマキリだから。
「成程、カマキリと正面衝突…。気の毒に」
泣いている少女の心を読み、事態をいち早く呑み込んだナジュは。
「全く、なんて酷いことをするカマキリですかね…」
シルナオオカマキリの胴を、指で掴み。
イレースみたいに投げ捨てるのかな、と思ったら。
何を思ったのか、
「…えい」
シルナオオカマキリの目に、デコピンかましやがった。
「あ痛いっ!!」
いやシルナ、お前は痛くないだろ。
痛覚共有してないんだから。
しかし、ナジュ、お前なんて酷いことを。
カマキリだって生きてるんだぞ。
「大丈夫ですよ。こんな下衆カマキリ、僕が退治してやりますから」
マーガレットに向かって、優しく笑いかけるナジュ。
退治も何も、お前今目潰ししたじゃん。
鬼か悪魔の所業。
しかも。
「よ…っと」
ナジュは、窓を開けて、ひょいっと外に出て。
適当な大きさの石を拾う。
まさかその石で殴り付けるのか、と思ったが、それは違うようで。
ナジュはその石で、地面に穴を掘り始めた。
お、お前まさか。
穴がある程度の大きさになると、ナジュは。
「来世は…善行を積んで、生まれ変わるんですよ」
優しくそう言って、シルナオオカマキリを穴の中に放り込み。
足で土をかけ、何度か踏みつけて、しっかり地面を踏み固めた。
「な…な…なんてことを…」
シルナ、絶句。
…生き埋めにしやがった。あの野郎。
血も涙もない。
「はい、退治しましたからね。もう大丈夫ですよ」
廊下に戻ったナジュは、座り込んで泣くマーガレットに手を差し伸べた。
その胡散臭い、優しい笑顔よ。
「あ…ありがとうございます…」
「いえいえ。怖い思いをしましたね、でも大丈夫ですよ。さぁ、一緒に食堂に行きましょうか。泣くようなことじゃありませんからね」
ナジュはマイハンカチを取り出して、マーガレットの手に握らせた。
あ、あいつ…。
「…」
マーガレット含め、様子を見ていた生徒一同は。
女子生徒は、ナジュを思慕の眼差しで見つめ。
男子生徒は、ナジュを羨望の眼差しで見つめた。
こんな下らないことで、あいつ…自分の点数稼ぎしてやがる。
さすが、イーニシュフェルト教師陣人気一位の座を、半年足らずでシルナからかっさらっていっただけのことはある。
やることがジェントルマン。
しかし残酷。
「シルナオオカマキリがぁぁぁぁ」
「…儚い命だったな…」
二代目、死す。
もう、形態をカマキリにするのやめたら?


