翌日。
俺達は朝っぱらから、学院長室で、二人で水晶玉を見つめていた。
変な絵面だと、自分でも思う。
しかし、これも令月に健全な学生生活を送らせる為…。
…なのか?
本当に?
今からでも良いから、やっぱりやめようかな…。
と、思っていたのに。
「よし、じゃあシルナオオカマキリを、学生寮に潜入させるよ」
「…あ、そう…」
今更やめる、とは言えなかった。
シルナは、手乗りサイズのオオカマキリ…ぶっちゃけキモい…を、ひょいっ、と外に放った。
カマキリになんてことを、と思われたかもしれないが。
何を隠そう、あのカマキリ。
シルナの分身である。
シルナが、学院内で自分の分身教師に授業を行わせているのは、教師陣の中では周知の事実。
だが。
この男、分身魔法にかけては、変態的に突出している。
人間のみに限らず。
他の生物…そう、昆虫だろうが哺乳類だろうが爬虫類だろうが、何にでも姿を変えられる。
この時点でかなりキモい。
その癖、動物園ではヘビにびびってたからな。
意味分からん。
で、今回シルナはオオカマキリの分身を作り。
その分身に特殊な「目」をつけて、水晶玉を通して俺達が観察出来るようにして、学生寮に放った。
目的は一つ。
普段、令月がどんな学生生活を送っているのか、見守る為である。
学習面では、授業中や放課後を通して、いくらでも見ることは出来るが。
学生寮の中や、授業の合間の休憩時間にどんな様子なのかは、さすがに見れないからな。
そこで、カマキリ分身を使って見守りたい、とのこと。
一つ聞かせてもらって良いだろうか。
何故カマキリ?
同じ役目を果たすなら、別の生き物でも良いのでは?
カマキリってお前、あれ活動するの夏では?
時期的におかしい。
「何でカマキリなんだよ」
聞いてみた。
「え?」
「他の生き物でも良いだろ」
「だって…蝿や蚊だと、パチンって叩かれそうだし…」
確かに。
「猫や犬だと大き過ぎるし…」
まぁな。
保護されてしまう。
「微生物くらい小さくしちゃうと、『目』をつけるのが大変だし…」
顕微鏡で見なきゃいけなくなるもんな。
「かといって、蝶々やトンボだと、ひらひらして目立つから、教室から追い出されそうじゃない?」
成程。
その点カマキリなら、壁にくっついてるだけで良いから、楽に観察出来ると。
一応、シルナなりの理由があるんだな。
まぁ、それでも別の生き物でも良いじゃんと思うけど。
だって、カマキリってキモくね?
俺の偏見?カマキリ好きな人ごめん。
でもキモいわ。
それがしかも、シルナの分身だと思うと、もうおぞましいレベルでキモい。
「羽久が…シルナオオカマキリに失礼なことを考えてる気がする…」
「考えるに決まってるだろ。俺は昆虫は嫌いなんだよ」
「なんて酷いことを!昆虫だって生きてるんだよ?」
「あ、おい動き始めたぞ」
「こらっ、話聞きなさい」
うるせぇ。
俺達は朝っぱらから、学院長室で、二人で水晶玉を見つめていた。
変な絵面だと、自分でも思う。
しかし、これも令月に健全な学生生活を送らせる為…。
…なのか?
本当に?
今からでも良いから、やっぱりやめようかな…。
と、思っていたのに。
「よし、じゃあシルナオオカマキリを、学生寮に潜入させるよ」
「…あ、そう…」
今更やめる、とは言えなかった。
シルナは、手乗りサイズのオオカマキリ…ぶっちゃけキモい…を、ひょいっ、と外に放った。
カマキリになんてことを、と思われたかもしれないが。
何を隠そう、あのカマキリ。
シルナの分身である。
シルナが、学院内で自分の分身教師に授業を行わせているのは、教師陣の中では周知の事実。
だが。
この男、分身魔法にかけては、変態的に突出している。
人間のみに限らず。
他の生物…そう、昆虫だろうが哺乳類だろうが爬虫類だろうが、何にでも姿を変えられる。
この時点でかなりキモい。
その癖、動物園ではヘビにびびってたからな。
意味分からん。
で、今回シルナはオオカマキリの分身を作り。
その分身に特殊な「目」をつけて、水晶玉を通して俺達が観察出来るようにして、学生寮に放った。
目的は一つ。
普段、令月がどんな学生生活を送っているのか、見守る為である。
学習面では、授業中や放課後を通して、いくらでも見ることは出来るが。
学生寮の中や、授業の合間の休憩時間にどんな様子なのかは、さすがに見れないからな。
そこで、カマキリ分身を使って見守りたい、とのこと。
一つ聞かせてもらって良いだろうか。
何故カマキリ?
同じ役目を果たすなら、別の生き物でも良いのでは?
カマキリってお前、あれ活動するの夏では?
時期的におかしい。
「何でカマキリなんだよ」
聞いてみた。
「え?」
「他の生き物でも良いだろ」
「だって…蝿や蚊だと、パチンって叩かれそうだし…」
確かに。
「猫や犬だと大き過ぎるし…」
まぁな。
保護されてしまう。
「微生物くらい小さくしちゃうと、『目』をつけるのが大変だし…」
顕微鏡で見なきゃいけなくなるもんな。
「かといって、蝶々やトンボだと、ひらひらして目立つから、教室から追い出されそうじゃない?」
成程。
その点カマキリなら、壁にくっついてるだけで良いから、楽に観察出来ると。
一応、シルナなりの理由があるんだな。
まぁ、それでも別の生き物でも良いじゃんと思うけど。
だって、カマキリってキモくね?
俺の偏見?カマキリ好きな人ごめん。
でもキモいわ。
それがしかも、シルナの分身だと思うと、もうおぞましいレベルでキモい。
「羽久が…シルナオオカマキリに失礼なことを考えてる気がする…」
「考えるに決まってるだろ。俺は昆虫は嫌いなんだよ」
「なんて酷いことを!昆虫だって生きてるんだよ?」
「あ、おい動き始めたぞ」
「こらっ、話聞きなさい」
うるせぇ。


