神殺しのクロノスタシス2

「じゃあ、今日は以上ね。ここまでにしよう」

「もう終わりで良いの?」

「下校時刻だから。終わりだよ」

「…下校時刻…」

時計を見つめる令月。

…時計は読めるんだよな?大丈夫だよな?

「まだ勉強出来るよ?」

「駄目駄目。これ以上はキャパオーバー。あとは帰って休みましょう」

「…」

なんだか、腑に落ちない様子。

勉強して、休養して、また勉強して…の切り替えが、上手く行ってない様子。

そうだよな。

今までは、ずっと働かせられっぱなしだったんだもんな。

休みたいなんて、思うことすら許されなかった。

…勉強面の方は全く心配要らないとして。

生活面の方は、まだちょっと心配かもな。

「はい、荷物まとめて学生寮に帰ろうね」

「…うん…」

まだ出来るのに、何で帰るんだろう、みたいな顔して。

令月は、とことこと学院長室を出ていった。

ちゃんと帰ったな?

「…うーん…」

シルナが、眉間に皺を寄せていた。

おっさんが、余計におっさんに見える。

「羽久が、今私に失礼なこと考えてる気がする…」

「お前はナジュか?」

読心魔法教えてもらってるんじゃないだろうな。

「何でそんな難しい顔してるんだよ。満点で良かったじゃないか」

割と字も綺麗だぞ、あいつ。

何故か草書体なのが気になるが。

やけに風流な字を書くんだよな。

「そうなんだけど…。勉強の方はね、全然心配要らないと思ってる」

…やはり、シルナもそう思うか。

「だけど、生活面が心配だな…」

「…同感だ」

「…よし」

シルナが、何かを決意した。

「どうした?」

「私、明日カマキリになる」

「…………………は?」

とうとうボケたか、いや昔からボケ、

とりあえず、すぐに入れる老人ホームを探そうと思ったら。

慌てたシルナに、詳細を聞かされた。