「私は元気だよ」
負傷者はいないかという問いに、何故か真っ先に答えるベリクリーデ。
「大丈夫だ。誰もお前の心配はしてない」
「そうなの?」
「むしろお前の敵に回った刺客の方を、俺は心配してるよ」
良いことを言うな、ジュリス。
星になってるだろうからな。
「怪我してるのは令月だ。指、治してやってくれるか。天音」
「あっ…。本当だ、折れてる」
自分で折ったんだぞ、これ。信じられるか?
「大丈夫、すぐ治すから」
天音は、令月の指に杖を向けた。
みるみるうちに、腫れ上がっていた令月の指がもとの色を取り戻した。
よし。
「はい、これで大丈夫。他に痛いところはない?」
「…ない…」
「そっか。良かった」
天音に笑顔を向けられ、何と言ったら良いのかと戸惑う令月。
笑顔を向けられて戸惑うな。
それと。
「私が治してあげたかった…」
残念そうに言うな、シルナ。
天音にも華を持たせてやれ。ずっと待機してたんだぞ。
自分も動き出したくてウズウズしてただろうに。
すると、キュレムが。
「はーい!ルイーシュ君に窓から突き落とされて、打撲と窓ガラスの負担代で懐が痛いです!治してください天音先生」
「えっと…。前者は治してあげられるけど、後者はちょっと…」
金払うのは嫌なのか。
俺もだ。
「慈悲!何処かに慈悲はないのか!」
「キュレムさん。慈悲はないのでここは自費で」
「ちょっと上手いこと言ってんじゃねぇよ!」
なんて、微笑ましいやり取りに。
「…」
いつの間にか、令月の涙が止まっていた。
あとは、これで一緒に笑えるようになったら合格だな。
まぁ、泣き止んだから及第点としてやろう。
負傷者はいないかという問いに、何故か真っ先に答えるベリクリーデ。
「大丈夫だ。誰もお前の心配はしてない」
「そうなの?」
「むしろお前の敵に回った刺客の方を、俺は心配してるよ」
良いことを言うな、ジュリス。
星になってるだろうからな。
「怪我してるのは令月だ。指、治してやってくれるか。天音」
「あっ…。本当だ、折れてる」
自分で折ったんだぞ、これ。信じられるか?
「大丈夫、すぐ治すから」
天音は、令月の指に杖を向けた。
みるみるうちに、腫れ上がっていた令月の指がもとの色を取り戻した。
よし。
「はい、これで大丈夫。他に痛いところはない?」
「…ない…」
「そっか。良かった」
天音に笑顔を向けられ、何と言ったら良いのかと戸惑う令月。
笑顔を向けられて戸惑うな。
それと。
「私が治してあげたかった…」
残念そうに言うな、シルナ。
天音にも華を持たせてやれ。ずっと待機してたんだぞ。
自分も動き出したくてウズウズしてただろうに。
すると、キュレムが。
「はーい!ルイーシュ君に窓から突き落とされて、打撲と窓ガラスの負担代で懐が痛いです!治してください天音先生」
「えっと…。前者は治してあげられるけど、後者はちょっと…」
金払うのは嫌なのか。
俺もだ。
「慈悲!何処かに慈悲はないのか!」
「キュレムさん。慈悲はないのでここは自費で」
「ちょっと上手いこと言ってんじゃねぇよ!」
なんて、微笑ましいやり取りに。
「…」
いつの間にか、令月の涙が止まっていた。
あとは、これで一緒に笑えるようになったら合格だな。
まぁ、泣き止んだから及第点としてやろう。


