──────…ありがとう、ありがとうかぁ。

勝手に言い捨てて、勝手に飛び出して行っちゃったよ。

足速いなぁあの子。

そういえば、僕より遥かに年下なんだっけ。

『…嬉しそうだね』

僕の心の中で、リリスがそう言った。

嬉しい?

そうだね、僕は今、嬉しいと思ってる。

誰かの居場所を、誰かの生きる意味を見つけて、守ってあげることが出来て。

たったそれだけで、たったそれだけのことなんだけど。

それだけで僕は、生きてて良かったと思えたから。