認めたくはないが、確かに僕は、極端な力魔法しか使えない、半端者の魔導師だ。
得意なことと言えば、隠れること気配を消すこと、逃げ足が速いこと。
全てが暗殺に繋がる、陰湿なものばかり。
僕から暗殺の才能を取ったら、何も残らないと言っても過言ではないくらいの、役立たず。
味方の足を引っ張り、守られるだけの無能者。
大体一つの魔法しか使えない魔導師なんて、魔導師とさえ呼べない。
ただの、裏切りの暗殺者。仕事の為に、無感情に躊躇いなく人を殺せる殺人鬼。
それも、よその国から来たお尋ね者と来ている。
僕に褒められたところなんて、一つもない。
生まれたときから、ずっとそう。
だけど。
それでも。
それでも僕が、ここに居て良いのなら。
幸せになる為に、生きても良いと言ってくれるなら。
こんなどうしようもない僕に、生きる意味を与えてくれるなら。
僕は。
「自分の居場所は、自分で守りたい。自分の仲間は、自分で守りたい」
僕の目の届くところで、誰一人死なせたくない。
人を殺す才能しかないのなら、せめて。
僕はその才能を、自分の居場所と仲間を守る為に使いたい。
だから。
「学院長と、羽久さんの居場所を教えて」
「…全く、馬鹿の一つ覚えって言うんですかね、こういうの」
何とでも言ってくれ。
僕は、そういう生き方しか出来ないんだ。
「まぁでも、人のこと言えた立場じゃないんで…。教えてあげますよ」
「何処?」
「ただし、教えるには条件が二つあります」
…面倒臭くなってきた。
自分で探しに行った方が速いのでは?
「まぁそう焦らず。条件と言っても、簡単なことです」
「じゃあ一つ目は?」
「僕を読心野郎と呼ぶのをやめてください」
「分かった。不死身君」
それくらいなら簡単だ。
「不死身君…。まぁ読心野郎よりマシか…」
何か不満なのか。
事実じゃないか。
「二つ目は?」
「二度と自分のこと、『人を殺すしか能のない殺人鬼』と卑下しないでください」
「…!」
「…」
「…」
「…何か変なこと言いました?」
「…いや…」
何でもない。
何でもないよ。
ただ、ちょっと、胸が苦しくなっただけ。
「泣きたかったら素直に泣いて良いんですよ。『生きてて良かったと思えた』って。僕相手に、我慢しても無駄なので」
「うるさい。もう行くから、早く教えて」
呼び方、やっぱり読心野郎に戻そうかな。
「だから読心野郎はやめてくださいって。あと、二人は校舎裏です」
やっと聞けた。
「分かった。じゃあ僕は行くよ」
「はい。行ってらっしゃい」
「不死身君」
「何でしょう」
「ありがとう」
「…」
人の心を勝手に読んでるんだから、僕がそう言いたかったことくらい、分かってるだろうに。
何故か不死身君は、ちょっと驚いた顔をして。
「…どういたしまして」
と、答えた。
得意なことと言えば、隠れること気配を消すこと、逃げ足が速いこと。
全てが暗殺に繋がる、陰湿なものばかり。
僕から暗殺の才能を取ったら、何も残らないと言っても過言ではないくらいの、役立たず。
味方の足を引っ張り、守られるだけの無能者。
大体一つの魔法しか使えない魔導師なんて、魔導師とさえ呼べない。
ただの、裏切りの暗殺者。仕事の為に、無感情に躊躇いなく人を殺せる殺人鬼。
それも、よその国から来たお尋ね者と来ている。
僕に褒められたところなんて、一つもない。
生まれたときから、ずっとそう。
だけど。
それでも。
それでも僕が、ここに居て良いのなら。
幸せになる為に、生きても良いと言ってくれるなら。
こんなどうしようもない僕に、生きる意味を与えてくれるなら。
僕は。
「自分の居場所は、自分で守りたい。自分の仲間は、自分で守りたい」
僕の目の届くところで、誰一人死なせたくない。
人を殺す才能しかないのなら、せめて。
僕はその才能を、自分の居場所と仲間を守る為に使いたい。
だから。
「学院長と、羽久さんの居場所を教えて」
「…全く、馬鹿の一つ覚えって言うんですかね、こういうの」
何とでも言ってくれ。
僕は、そういう生き方しか出来ないんだ。
「まぁでも、人のこと言えた立場じゃないんで…。教えてあげますよ」
「何処?」
「ただし、教えるには条件が二つあります」
…面倒臭くなってきた。
自分で探しに行った方が速いのでは?
「まぁそう焦らず。条件と言っても、簡単なことです」
「じゃあ一つ目は?」
「僕を読心野郎と呼ぶのをやめてください」
「分かった。不死身君」
それくらいなら簡単だ。
「不死身君…。まぁ読心野郎よりマシか…」
何か不満なのか。
事実じゃないか。
「二つ目は?」
「二度と自分のこと、『人を殺すしか能のない殺人鬼』と卑下しないでください」
「…!」
「…」
「…」
「…何か変なこと言いました?」
「…いや…」
何でもない。
何でもないよ。
ただ、ちょっと、胸が苦しくなっただけ。
「泣きたかったら素直に泣いて良いんですよ。『生きてて良かったと思えた』って。僕相手に、我慢しても無駄なので」
「うるさい。もう行くから、早く教えて」
呼び方、やっぱり読心野郎に戻そうかな。
「だから読心野郎はやめてくださいって。あと、二人は校舎裏です」
やっと聞けた。
「分かった。じゃあ僕は行くよ」
「はい。行ってらっしゃい」
「不死身君」
「何でしょう」
「ありがとう」
「…」
人の心を勝手に読んでるんだから、僕がそう言いたかったことくらい、分かってるだろうに。
何故か不死身君は、ちょっと驚いた顔をして。
「…どういたしまして」
と、答えた。


