…とりあえず。
屋上の安全は確認された。
次は校舎だ。
間違いなく、僕を探して校舎内に刺客が侵入しているは、
ず、と思ったときには既に遅かった。
「っ…」
不味い、と思った。
僕は咄嗟に物陰に隠れ、息を潜めた。
既に、刺客と遭遇していた。
校舎を守っていた、彼女が。
「…今日は、来客の予定はないはずですが」
イレース・クローリア、その人である。
「学院に用があるなら、事前にアポイントを取ってもらわなければ困ります」
「…」
『アメノミコト』の暗殺者は、何も答えない。
当然だ。敵に情報は与えない。
暗殺者の基本だ。
どうしよう。
僕は考えた。
イレースさんの実力は、授業を通してしか知らない。
しかも彼女の授業を受けるときは、大抵座学だった。
だから、彼女がどれほどの実力を持っているのか、分からない。
今なら、まだ暗殺者は僕の存在に気づいていない。
加勢するか?それとも、このまま静止して…。
いや、こうして考えている時間が惜しい。
次の瞬間には、『アメノミコト』の暗殺者が、イレースさんの首を刈っているのかもしれないのだ。
だったら、気づかれる前にこちから…!
殺気を飛ばし、刀を構えようとした、そのとき。
「…大体、近頃私は怒ってるんですよ」
…ん?
「春先から、何処ぞの読心魔法生徒が潜入して、事件を起こし。そのせいで、私が春休みの間に綿密に立てた、一年の授業計画が台無しになり…」
…え?
「挙げ句に、うちの能天気な学院長が、その読心魔法生徒を教師にするとか言い出し、そのお陰でまた授業計画が狂い…」
…は?
「その読心魔法教師が、無駄に容姿端麗なせいで、主に女子生徒の風紀が乱れていることに、私は危機感を感じているというのに…」
…あ?
「あの学院長と来たら、能天気にイルミネーションだのクリスマスだの…。昨日届いた、先月の電気代の請求書を見せてあげましょうか?全くあの馬鹿みたいな装飾のせいで、先々月の請求額の三倍ですよ、三倍!何処から補填するんですか!」
「…」
何故か、出会い頭に怒鳴られ。
暗殺者の方も、ちょっと困った様子だった。
いや、そんなこと自分に言われても…と思っていたに違いない。
屋上の安全は確認された。
次は校舎だ。
間違いなく、僕を探して校舎内に刺客が侵入しているは、
ず、と思ったときには既に遅かった。
「っ…」
不味い、と思った。
僕は咄嗟に物陰に隠れ、息を潜めた。
既に、刺客と遭遇していた。
校舎を守っていた、彼女が。
「…今日は、来客の予定はないはずですが」
イレース・クローリア、その人である。
「学院に用があるなら、事前にアポイントを取ってもらわなければ困ります」
「…」
『アメノミコト』の暗殺者は、何も答えない。
当然だ。敵に情報は与えない。
暗殺者の基本だ。
どうしよう。
僕は考えた。
イレースさんの実力は、授業を通してしか知らない。
しかも彼女の授業を受けるときは、大抵座学だった。
だから、彼女がどれほどの実力を持っているのか、分からない。
今なら、まだ暗殺者は僕の存在に気づいていない。
加勢するか?それとも、このまま静止して…。
いや、こうして考えている時間が惜しい。
次の瞬間には、『アメノミコト』の暗殺者が、イレースさんの首を刈っているのかもしれないのだ。
だったら、気づかれる前にこちから…!
殺気を飛ばし、刀を構えようとした、そのとき。
「…大体、近頃私は怒ってるんですよ」
…ん?
「春先から、何処ぞの読心魔法生徒が潜入して、事件を起こし。そのせいで、私が春休みの間に綿密に立てた、一年の授業計画が台無しになり…」
…え?
「挙げ句に、うちの能天気な学院長が、その読心魔法生徒を教師にするとか言い出し、そのお陰でまた授業計画が狂い…」
…は?
「その読心魔法教師が、無駄に容姿端麗なせいで、主に女子生徒の風紀が乱れていることに、私は危機感を感じているというのに…」
…あ?
「あの学院長と来たら、能天気にイルミネーションだのクリスマスだの…。昨日届いた、先月の電気代の請求書を見せてあげましょうか?全くあの馬鹿みたいな装飾のせいで、先々月の請求額の三倍ですよ、三倍!何処から補填するんですか!」
「…」
何故か、出会い頭に怒鳴られ。
暗殺者の方も、ちょっと困った様子だった。
いや、そんなこと自分に言われても…と思っていたに違いない。


