──────結局、僕は人殺しの為の道具にはなりきれなかった。

最後の最後で、人間として生きることを選んでしまった。

言葉は綺麗だが、要するに僕はただ。

情に絆された、ってことだ。

ムカつくことに、ナジュ・アンブローシアにそれを見透かされ。

「良いんじゃないですか?僕もイレースさんも、似たような理由でここにいるんで」とか言われた。

正直、もう二度とあいつには会いたくない。

正面にいるだけで心を読まれるなんて、最悪だ。

でも、僕の選んでしまった選択は、もっと最悪。

僕は、決して許されないことをしてしまった。

そう。




僕は、『アメノミコト』を裏切ってしまったのだ。